食育コラム

管理栄養士のたらこ 管理栄養士のたらこ

食品の保存について

あたらめて、みなさん初めまして!管理栄養士のたらこです。

前回の食育コラムいかがでしたか??前回のひよこのコラムが、好評みたいでプレッシャーにドキドキしています(*_*)

皆さんのお役に立てるような情報を、頑張って発信しますので、ぜひ読んでいただければ嬉しいです!

 

今回は、「食品の保存」についてご紹介させていただきます!

早速ですが、皆さん、食べ物をダメにしちゃった経験ありますか?

作りおきの料理から嫌なにおいがしてきたり、ジャガイモから芽が生えてきたりなどなど、私はたくさん経験があります(;_;)

食品は放っておくと劣化していきます。

食品が劣化すると、味や風味が落ちるだけでなく、体調不良をひきおこしたり、最悪、亡くなってしまったりする可能性もあります。

今回は、皆さんに、より安全でおいしい食事を楽しんでもらえるように、食品の保存の仕方についてお話させていただきます。

                                                                                             

●食品の劣化

食品の劣化といっても、要因は1つだけではありません。

例えば、おにぎりせんべいだと、湿気や酸素が要因となって、「食感の変化」、「油の酸化」、「風味の減少」が起こります。

おせんべいは水分が少ない食べ物のため、基準から1%でも水分量が上がってしまうと、食べたときの食感が変わってしまいます。

また、油の酸化や風味の変化は、おにぎりせんべいの味に理由があり、醤油をベースにしたおにぎりせんべいでは、出来上がった後から醤油の風味が飛んでしまったり、空気と触れて酸化してしまったりして、味がだんだんと変化してしまいます。

そのため、おにぎりせんべいの包装は、酸素を窒素に交換していたり、光を通さないフィルムを使ったりして、劣化しないよう工夫しています。

このように、食品によって劣化しやすい要因があります。その要因を知ることで、上手に保存ができるようになります。

 

私のマイブームなのですが、おにぎりせんべいを冷凍保存しています!!

冷凍庫は乾燥しているため、湿気対策としてもいいのですが、ちょっとした味変として、冷たいおにぎりせんべいはこれから暑くなる時期におすすめです。

 

●劣化に合わせた保存のしかた

食品ごとの劣化しやすい要因を知って、上手に保存をしましょう。 

 

果物・野菜

野菜や果物は、収穫した後も呼吸を行い、栄養を使ったり、成長したりしています。

そのため、野菜や果物に合わせた温度で保存することが大切です。

〇トマト 

トマトは冷やしすぎると甘味が弱くなるため、常温でも大丈夫ですが、暑い時期や熟したトマトは冷蔵庫に入れましょう。

ゴーヤやメロン、スイカ、バナナなども同じです。

〇玉ねぎ

〇その他

キュウリやレタスなどの水分の多い野菜は、乾燥に注意して、冷蔵庫での保存がおすすめです。

リンゴやトマトなど、エチレンガスという成長を促進させるガスをだす果物や野菜があります。エチレンガスは、周りの野菜の成長を促進させ、腐りやすくしてしまうため、保存の際は袋に入れたり、近くに置かないようにしたりして、気を付けましょう。

 

お肉・お魚 

お肉やお魚には、酵素や細菌などが存在し働いています。

酵素も細菌も、活発になると悪臭を出したり、毒素を出したりして、私たちの体に害を与えます。すぐに冷蔵や冷凍を行い、酵素と細菌が活発に動けないようにしましょう。

 

せんべい、スナック菓子

油は、光や熱により酸化されます。酸化した油は、不快なにおいを発するだけでなく、消化不良を引き起こし、下痢を引き起こします。そのため、おせんべいやスナック菓子など、油が使われているものは直射日光のあたらない、涼しい場所で保管しましょう。

また、湿気は、食感を変えるだけでなく、細菌による劣化も起こしやすくします。湿気を避けるために開封後は密閉して、できるだけ空気に触れないようにしましょう。

調理済みおかず

 

●6月から気を付けてほしいこと

劣化についてたくさんお話させていただきました。

劣化以外にも、これから特に気をつけてほしいことが、細菌による食中毒です。

食中毒とは、細菌、ウイルス、有害な物資を食べることにより、私たちの体に、下痢や吐き気などの症状が出ることです。

毎年、温度も湿度も上がる6月頃から、細菌による食中毒が増えます。

安全に食を楽しむために、細菌対策の「つけない・増やさない・やっつける」を守りましょう。

《つけない》

・料理をする前には手を洗う。

・保存容器はしっかりと洗って除菌する。

・生野菜の隣でお肉を調理しない。

菌がついている状態かを理解して、きれいなものに

菌をつけないことが大切です。

 

マスヤでも、手洗いは30秒以上を徹底して、定期的に手洗いのチェックをしています。

 

《増やさない》

・冷蔵庫などの低温で保存する。

・タオルやふきんはこまめに交換する。

・調理後はできるだけ早く食べる。

菌が好む環境で放置しないことが大切です。

 

《やっつける》

・しっかりと加熱する。(中心温度75℃1分)

菌をやっつけるには加熱が大切です。

お肉はもちろん、野菜や作り置きのおかずなどもしっかりと加熱することで、菌を死滅させることができます。

まな板や包丁などには、漂白剤の使用や煮沸消毒も有効です。

 

たくさんお話させていただきましたが、ほとんどの食品には保存方法についてパッケージに記載があります。記載されている保存方法をよく見て、適切な保存を行うことが、より安全でおいしい食事を楽しむことにつながります。

食品の保存について、あまり考えてみたことがなかったという方も、ぜひ、いろいろな食品の保存方法について調べていただけると嬉しいです。

監修:福岡女子大学 国際文理学部 食・健康学科 小林弘司先生

 

おすすめサイト

農林水産省Webサイト “食中毒から身を守るには”

https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/index.html(参照 2024-06-14)

カゴメ “野菜を選ぶ・保存する”

https://www.kagome.co.jp/vegeday/store/(参照 2024-06-14)

AsahiKASEI “旭化成 保存テクニック”

https://www.asahi-kasei.co.jp/saran/preservation/(参照 2024-06-14)

 

参考:吉田秋比古 (1986). 「食品の劣化原因とその防止法」生活衛生, 30巻3号, pp. 166-169.

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おにぎり倶楽部 運営事務局

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コメント一覧

  1. ぷう さん

    おにぎりせんべいの冷凍にびっくりですが、早速入れてみました。明日食べてみます。 賞味期限が迫って食べきれないもの、ちょっと残った野菜など冷凍しますが、ファスナーバックは重ねるとずれてしまいます。タッパーはかさばるし整理方法も教えていただきたいです。

  2. ひか さん

    おにぎりせんべい以外のほぞんのしかたもわかってとても便利でした!😆

  3. ケンイチ さん

    食べ物の劣化のサインが非常に参考になりました。 チョコレートは劣化しにくいんですね! おにぎりせんべいの劣化を防ぐ工夫はありがたいですね、40年位前のスナックの包装は印刷部以外は透明だったりしましたので。